いつもと違う道を通っていたら、ばったり六義園の裏に出た。
水と油第一回公演の時、スライドショーもしようということになり 六義園に写真を撮りに行った。 あの頃思いつく「絵になる風景」が六義園だったということなのだろう。 しかし日曜日の六義園は予想以上の人でごった返していた。 日本庭園の中でポーズをとる。 それを写真に撮る。 誰かカメラマンがいるわけでなく、 無印良品で買った、揃いの黒の綿の上下を着た3人のうち誰かがシャッターを押すのだ。 観光客が写真を撮っている横で、ポーズを決めて撮る。 ポーズをとっていた人が写真を撮り、写真を撮っていた人がポーズをとる。 そのサイクルがぐるぐる続く。 しかも行楽地でよくある、横切ろうとする人を待たせて撮る、 というあれである。 何だか本気だけど、何なのかしら…。 その時も恥ずかしかったが、今思い出すとまた恥ずかしい。 内輪なのりを楽しんでいたわけでもなく、 果たして本当に自分たちで公演なんて出来るのかという疑いの中、 ただただ当てずっぽうに準備をしていた。 だが、その当てずっぽうさはそのまま若さであり勢いで、 決して馬鹿にできるものではない。 何かをしようとするとき、何かもう分かったふうな態度は結局停滞を生む。 そういう時こそ、当てずっぽうな勢いを思い出さなくてはいけない。 第一回公演は1995年12月8日で、ちょうど10年目に当たる今年の12月8日は、 稽古場で当たり前のように稽古をし、何の記念日でもなくあっさりと過ぎた。 それでいいのだと思う。 何かに固執しすぎることなく、 大切にしたいのは、何か出来るだろうという根拠のない自信。
by momokonno
| 2005-12-28 07:36
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