銀座線にて

銀座線に乗る。
目の前におじいさんと4歳ぐらいの女の子とおばあさんが座っている。
女の子は座席に浅く腰掛け、行儀よく足をたらしている。
女の子の膝にはおじいさんの手が添えられている。
もし今電車が急に止まっても女の子は落ちない。守られている。
3人はとても静かにそこにいる。
おもむろに女の子が何か質問する。
おじいさんとおばあさんが同時に答える。
女の子はまたくうを見つめる。
急に見ていた私の中で何か大きく気持ちが揺れる。
説明のつかない、陰か陽かも分からない感情が激しく渦巻く。
帽子を深くかぶりうつむきながら電車を降りる。
家に帰って考える。
思い当たったのは、無条件肯定という無形のものを目の当たりにした感慨。
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# by momokonno | 2005-11-17 11:55

銭湯にて

夜、銭湯に行く。
先日京都滞在で銭湯通いをして以来気に入って、帰ってきてからも行くのである。
家のそばではなく出先で入る。
あまり考えずにぷいと入る。
誰もいない脱衣所で服を脱いでいたら女の人がどこからともなく現われて言う。
「みんなが使う台だから、台の上に荷物を広げないように。」
慌てて荷物を棚に押し込む。
小さな薬湯に浸かっているとまたさっきの女の人が入ってきて言う。
「薬が流れちゃうから、お湯は出しっぱなしにしないで。」
見ると蛇口からお湯が出続けている。
思い切って言う。
「私じゃありません。」
あら、そう、と言い、女の人は何もなかったように番台に座る。
また来てやろうと思う。
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# by momokonno | 2005-11-16 23:24